| 焼きそばが大好きだ。細麺でも太麺でもいい。塩味や中華風もいいが、やはりソース焼きそばが一番。我々庶民の味って感じがする。
子供の頃、連馨寺(れんけいじ)の焼きそば屋さんがおいしくて有名だった。よく行った。50円、100円、150円、200円、300円と、お腹のすき具合によって選んだ。屋台のお店だったから、作るところが見えた。大きな中華鍋で、あれはいくら分なのだろう、たくさんの量を焼く。そして、そろそろ仕上げかというところで、その奥にある黒ずんだ鍋からおたまで一杯、ソースとは別の液体を入れ、しばらくするとできあがり。
よし食べられるぞと思いきや、先客のおじさん、おばさん、お兄さんお姉さんらが、200円!300円!300円!と大盛りの注文を連発、俺の前でなくなり、もう一度作るのを待たねばならないこともしばしば・・・でも不思議と待つことが苦にならなかった。うまいものを食べるのに、待つことは最高の調味料!なんて子供の頃は思うわけないが、我慢できた。次の鍋。同じタイミングで例の液体・・・できあがり!
今から20数年前にその焼きそば屋さんは店をたたんだ。おじいさんおばあさんでやってたから引退ということだったのか、それとも何か別の理由があったのか、今となってはわからない。大きな喪失感を味わったことが強く心に残っている。
連馨寺の焼きそば屋さん。遠い昔のことながら、いつも繁盛していた屋台のお店、元気に働くおじいさんとおばあさん、そしてあの魔法の液体のことが今でも鮮やかに脳裏に焼きついている。
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