小林隆のひとりごと:投稿広場

 
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はじめまして
小林隆のひとりごと
小林隆 投稿広場
2008年03月30日
素晴らしい舞台


東京、兵庫、岐阜での公演。
兵庫2日、岐阜1日。
隆さん、お疲れ様でした。
そして、素晴らしい舞台をありがとうございました。
今回の舞台はシリアスな内容でしたのでいろいろ考えさせられました。
感想として書きたいことはたくさんありますが
あえて書かないでおきます。

舞台は、人それぞれ感じ方が違うし、表現の仕方も違うので
それを聞くのは楽しいのですが、なんだかこの舞台は胸が痛くなるくらい
感じる部分があったので、自分の胸の中にしまっておきます。

一回きりの観劇で、いろんな思いがめぐった舞台でした。
この一回を私は私なりに重くせつなく受け止めましたが
何度も観る機会があった方は、観ていくうちに段々と
違う感情になったりするのでしょうか。
一回ではわからなかったことが深く理解できるようになり
段々と面白くなってくるのかも知れませんね。

たくさんの出演者がいて、動きの多い劇だと
観る方も忙しく、あちらこちらと目が移動しますが
今回のように舞台上の人物が少なく、会話と会話に間があるような
舞台では、舞台上の息遣いまでこちらに届くような緊張感があります。

「屋上庭園」で並木と三輪の会話がとぎれている間、
隆さんの顔を凝視していてはなんか申し訳ない気持ちになり
瞳、ほっぺ、あご・・・と段々と視線を移し最後は
隆さんの手の指をみつめていました。
その時、ふと思いました。
今、この時、隆さんの指を見ている人は何人いろだろう。
皆が皆、役者さんの顔をみつめているとは限りません。
足の開き具合、ひざこぞう、耳たぶ、髪の毛の一本、服のしわ・・・
どこをみつめているかわかりません。
表情だけ作っていたってダメなんですよね。
頭のてっぺんから足の先まで、どこを切り取って見られたって
その人物になっていなくてはならないのですから。

「確かに演技は素晴らしかったけれど、あの喉仏で現実にもどっちゃったよ」
という方だっているかもしれません。
「あのひじが不自然で集中できなかったよ」
という方だっているかもしれません。

全身、役になりきるのは役者だから当たり前、
簡単だと思う方もいるかもしれませんが
これは大変なことだと思います。決して簡単ではありません。
観ている側にはわかり得ない緊張感があると思います。
まず、日常の生活でそんなに張り詰めることはないですけれど
私だったら心身共に張り詰めた状態では、1分ももちません。
 
三輪の手の指。確かに三輪の手の指でした。
隆さんの指ではなかったのです。
「動員挿話」でも指をみつめました。
友吉の手の指。それもやはり、隆さんの指ではありませんでした。
三輪の手の指の時は、育ちのよいどこかおっとりとした指だったのに
友吉の手の指は、ごっつく、力強い指になっていました。
改めて、舞台の醍醐味に触れた気がしました。
隆さんのその指、今までいったい何人の指になったんだろう・・・。
その10本の指たちは何人の人生を語ってきたのでしょうか。

新国立劇場の今回の舞台は託児所が利用できる日がありました。
大和を連れていても観劇が出来る!!嬉しくてすぐ予約したものの
大和はおとなしく納得してくれるだろうか・・・
ドキドキでしたが、驚くほど簡単に
「たかしさんのぶたい、みてきてね。オレはここであそんでまってるよ」
と言ってバイバイしてくれました。
おかげで安心して舞台に集中出来ました。

舞台が終わり、託児所まで大和を迎えに行くと
仲良くなった同じ歳の男の子にバイバイをして飛んで出てきました。
託児所の先生に 「たかしさんにあいにいくんだ」 と話していたそうで
先生に「大和君はずっと、たかはしさんに会えるって楽しみにしてましたよ」
と言われました。

さて、大和が隆さんにお会いするのは昨年の川越以来。
家ではずっと
「たかしさんにあったらさぁ、あいたかったぁってオレ、たかしさんに
ぎゅうってするんだ」 と言ってましたが本番に弱い大和のこと。
きっと固まって挨拶もできないんじゃないか・・・と思っていましたが、
隆さんの姿をみつけると、たーっと走って行き自分から
「たかしさん、こんにちは!」 と挨拶をしていました。
そんな大和を笑顔で迎えてくれた隆さん。ありがとうございます。
大和は嬉しそうでした。
そんな時、大和と同じ歳くらいの男の子が七瀬さんの楽屋を
訪れていました。
「あっ!さっき仲良くなったおともだちだ!」 と大和ははしゃいで
そのまま七瀬さんの楽屋の方へ走って行きました。
そして、ちゃっかり七瀬さんと写真を撮らせていただきました。
舞台後で疲れているでしょうに笑顔で子供たちの相手をしていただき
ありがとうございました。

帰宅してから大和に
「隆さんと会えてよかったね。ちゃんと、ぎゅうっもできたね」
と言うと、秘密の話をするように私に顔を近づけて少し小声で
「あのね、ママ。すごいことおしえてあげる。たかしさんのめのなかに
オレがいたんだよ。だから、オレのめのなかにもたかしさんがいたとおもうよ」
と、すごい発見をしたかのように瞳をきらきらさせて話してくれました。

ここのところテレビの中の隆さんしか見ていなかったので
目の前に隆さんがいて、自分と話している時にその目の中に
自分の姿をみつけたことがとっても嬉しかったようです。
「よかったね。ちゃんと目と目でお話できたんだね」 と言うと、大和は
「うん、さいこうないちにちだったぁ」 と遠くをみつめていました。

そして、小さな子供の単純な感動に気づかされました。
そうか、自分も隆さんと話した時、隆さんの瞳の中にいたんだ!
隆さんは私の瞳の中にいたんだ!
当たり前のことなのに、ちょっと嬉しくなりました。
またひとつ、大人になって忘れていたものを教えられました。

隆さん。新しい舞台のお稽古、頑張って下さい。
隆さんの手の指。今回はどんな人の人生を語るのか楽しみにしています。


ささ


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